原発を考える(その2)~廃炉の時代(2)

【出典】朝日新聞 2013年11月3日版 「Under control」、安倍首相が五輪誘致演説で発言した言葉も「偽装」だったのか? 貯水タンクからの汚染水漏洩が止まらない一方で、東電は生き残りをかけて是が非でもドル箱の柏崎刈羽の再起動を進めていくだろう。政府か…

京都/炭屋旅館~お茶の侘び寂び~

【出典】京都炭屋おもてなしはお茶の心/堀部公允、恵美子、寛子/草思社 麩屋町にある「炭屋旅館」は、もともと「田毎」という料理屋だったが、恵美子の父・鍈之輔が趣味人で家元のお社中(同門の仲間)をもてなすことが多く、「いっそのこと旅館に」と望ま…

原発を考える(その1)~廃炉の時代

【出典】朝日新聞GLOBE 2013年7月21日版 3.11以降、「原発」は世界全体を巻き込んだ論点の一つとなった。原発をめぐっては、政治、経済、社会、環境、技術、医療、倫理、国防など、様々な立場で様々な議論が今も巻き起こっている。しかし、原子炉には必ず寿命…

鉄の骨/池井戸潤

【出典】pp.648-654 池井戸潤は、1998年に『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞、2010年に本書『鉄の骨』で第31回吉川栄治文学新人賞、2011年に『下町ロケット』で第145回直木賞を獲得。企業小説にミステリーの要素を融合させた新しいスタイルを切り開き、…

知識創造とイノベーション(その2)~シャープの失敗に学ぶ

【出典】東洋オンラインhttp://toyokeizai.net 日本航空(JAL)やカネボウ、ダイエーなど数多くの企業再生や経営改革に携わり、オムロンの社外取締役なども務める冨山和彦氏。著書を呼んで一気にファンになったのですが、その彼がシャープの業績不振に関…

知識創造とイノベーション(その1)~場をつくる

【出典】野中郁次郎、勝見明/イノベーションの本質/日経BP社 本書は、人と組織に関するマネジメントの専門誌「Works」(リクルートワークス研究所)の連載「成功の本質」の13回分をまとめ、加筆・再構成したものです。解釈編は「知識創造企業」の著者で有…

原子炉時限爆弾―大地震におびえる日本列島/広瀬隆

本書は、この日本列島に住んでいるすべての人に「日本はあと何年、ここに住んでいられるのだろうか」というごく簡単な問いを、尋ねるものである。 の書きだしで始まる本書は3.11東日本大震災の前に出版されており、福島第一原発事故を予言したかのような内容…

「安全」に対する考え方(その4の2)〜福島第一原発事故に思うこと

【出典】原子炉お節介学入門 上巻 pp.231-234 前回同様、同書から引き続き引用します(文書中の注はブログ管理人の追記)。非常に示唆に富む内容で、参考になります。 ちなみに、機能安全で求められるSIL解析(Safety Integrity Level Analysis)をする際で…

「安全」に対する考え方(その4の1)〜福島第一原発事故に思うこと

【出典】原子炉お節介学入門 上巻 pp.60-63 筆者は京大原子炉、臨界実験装置等の設計、建設、運転、研究に従事された方で、「月刊産業とエネルギー」誌の連載を単行本にまとめたもの。語り口調で初心者にも分かりやすく原子炉について解説されている。 先日…

今更、VE(Value Engineering)と言われても…周回遅れ?

【出典】http://www.sjve.org/ リーマンショック後の激動の市場の中で、私の勤める会社(重電系)もライバル企業のコストレベルに追い付けなくなりつつある。入札に参加すれども、ことごとく逸注して受注目標を大きく下回っており、最近では利益を食いつぶし…

朝日新聞12月22日「富士フイルム、JAMP方式採用を正式発表」

【出典】http://www.asahi.com/digital/nikkanko/NKK201012220005.html EUの化学物質規制(REACH)に関する記事を朝日新聞その2。各社とも試用から実務へ次のステージに移ったということだろう。富士フイルムは21日、自社製品の含有化学物質情報を、アー…

朝日新聞12月22日「パナソニック、家電放出の化学物質リスクの評価開始」

【出典】http://www.asahi.com/digital/nikkanko/NKK201012220004.html EUの化学物質規制(REACH)に関する記事を朝日新聞で見つけたので転載する。私も課の"REACHサポーター"の一員であるが、事務局の啓発活動が不十分で社内の浸透度がイマイチ。他社は着々…

進み始めた国内における安全計装システムの導入

【出典】月刊「計装」2010.Vol.53 No.12 プラントエンジニアリング会社の社員の方の論文ですが、「安全はトレーサブルかつリピータブルであるべき」という言葉に、「よくぞ言ってくれた!そう!そうだよね!」と思わず周りの気にせず独り言が口をついて出て…

日経ビジネスオンライン4月8日「河合薫の新・リーダー術」より

【出典】http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20100406/213855/ 私は、この記事を読んで少し胸がキュンとなりました。私たちは、横文字の経営手法の見た目のカッコよさだけに心奪われて、実は大切なものをいっぱい失ってきたことに未だ気がつかな…

電気安全に関する国際規格

【出典】日本規格協会「安全の国際規格3 制御システムの安全」 向殿政男監修 機械類を対象とする電気安全は、主としてIEC60204-1(JIS B 9960-1)によって安全の確保方法が規定される。 この規格は、交流1000V、直流1500V以下の電気設備(装置)を対象として…

朝日新聞2009年5月6日『コンビニ店主「見切り販売」の動き 販売期限前に値引き』より

「アルバイトは、食品を捨てることに後ろめたさを感じていたようで、喜んでいます」という部分が、心に引っかかった記事だった。フランチャイズ制度の上にあぐらをかいて利益だけを吸い上げる企業側(ワルモノ)と、絶対的に不利な立場で契約させながらも、…

朝日新聞2009年5月5日社説「日立の転換」より

日立の苦悩ぶりを見ると、決してた対岸の火事ではない。総合経営を「強み」に今のグローバル社会を乗り切る知恵はないのか…。いくら社会全体のビジネスモデルが変わったとは言え、総合メーカーのメリットがデメリットになったわけではないはずだ。総合メーカ…

エルビーダは蘇った~異色の経営者 坂本幸雄の挑戦/松浦晋也

坂本幸雄。たまたま見ていたNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演されていた時、只者ではないオーラを出していたのを覚えていて、彼を知る資料がないか探して本書を手にした。 日本電気(NEC)と日立製作所のDRAM事業を集約して設立され…

朝日新聞2009年4月12日「本の舞台裏」より

朝日新聞の読書欄から、小さい記事ですが面白い記事だったのでメモします。 先日、湊さかえさんのデビュー作「告白」が大賞を射止めた第6回本屋大賞に関連し、第1回目から参加している名物書店員が出版した「尾道坂書店事件簿」からの一節。本の中で、啓文社…

ブログ移転のお知らせ

こちらのブログは、下記のURLに移転いたしました。http://iuchan.blog.eonet.jp/

裸でも生きる〜25歳女性起業家の号泣戦記〜/山口絵理子

23歳で、ジュート(麻)を使ったバッグを現地生産、輸入販売する「�マザーハウス」を設立し、社長業の傍ら講演に飛び回る著者のエッセイ本。小学校でイジメにあった反動で中学では非行に走るが、その後ふざけ半分で入部した柔道部で負けず嫌いの性分が目覚…

あなたが年収1000万円稼げない理由/田中和彦

リクルートで転職情報誌「週間ビーイング」「就職ジャーナル」など4誌の編集長を歴任し、その後キネマ旬報社を経て"今までに2万人以上の面接を行ってきた転職コラムニスト"兼映画プロデューサーとして活躍している筆者が、富裕層と低所得者層に2極化されてい…

日本電産 永守イズムの挑戦/日本経済新聞社編

日本電産の社長で、瀕死の企業を人を切らずに見事に再建してしまう手腕で有名な永守重信氏の経営哲学の書。日本を代表する経営者の一人に数えられる氏が手掛けた23番目のM&Aの舞台裏を、当事者の息づかいが伝わるほどの臨場感で紙上再現した第1部、そ…

虚妄の成果主義〜日本型年功制復活のススメ/高橋伸夫

バブル後の長い停滞からなかなか抜け出せない日本企業では昨今、日本型人事システムの象徴である「年功序列」こそがその原因であるような風潮があって、一つの流行のように「成果主義」が脚光を浴びたが、実際に導入したどの企業も惨たんたる結果に終わって…

アメーバ経営 ひとりひとりの社員が主役/稲盛 和夫

京セラ、およびKDDIの前身である第二電電を創業した著者が実践する経営哲学「アメーバ経営」を公開。「アメーバ経営」とは、世間でもてはやされているような経営ノウハウではなく、経営哲学をベースにした経営管理システムである。アメーバ経営の目的は…

中国版RoHS指令

中国向けの発電設備の計装・制御設計を担当しているが、メーカから「2007年3月から施行された中国版RoHS(ローズ)指令を満足することが出来ないのですが、どうしたらいいですか?」という質問を受けた。中国版RoHSとは、有害物質の輸入を規制する法案「電子…

「機能安全」とは何か

IEC61508が対象としている「機能安全」とは耳慣れない言葉である。もともと"Functional Safety"という外来語の直訳なので仕方ないが、その意味するところは何なのであろうか。機能安全の意味を理解するには、その反対語である「固有安全(inherent safety)…

「安全」に対する考え方(その3)〜リスクを許容する社会

「安全」を辞書で引くと、下記のような意味が出てくる。危害または損傷・損害をうけるおそれのないこと。危険がなく安心なさま。⇔危険(三省堂 大辞林第二版より)これは、日本での社会通念として一般的な解釈だろう。しかし一方で、安全関連の国際規格では…

朝日新聞 2007/5/13(日)付 「社説21」をどう読むか

朝日新聞で5月3日に掲載された社説特集に対する専門家の意見が2回に分けて紹介されるが、その第一弾が5月13日に掲載された。その中から、共感した部分を抜粋してみよう。まずは、元国連事務次長 明石康氏の憲法9条改正問題への切り替えしが心地よい。聞き手…

朝日新聞 2007/5/3(木・祝)付

憲法記念日の5月3日の朝日新聞社説が“「地球貢献国家」をめざそう”ときたので、ここに反論する。まずは、朝日新聞の主張から。�さまざまな地球上の困難に対し、省エネ、環境技術をはじめとする日本の得意技で国際貢献をする�国際活動の世話役となって実りを…