電気安全に関する国際規格

【出典】日本規格協会「安全の国際規格3 制御システムの安全」 向殿政男監修

機械類を対象とする電気安全は、主としてIEC60204-1(JIS B 9960-1)によって安全の確保方法が規定される。 この規格は、交流1000V、直流1500V以下の電気設備(装置)を対象としており、さらに高圧の設備の場合、IEC60204-11(JIS B 9960-11)に基づかなければならない。また、この規格は、建築電気(建物の中での電気安全)の一部として作成されている。このため、一般人及び保守者のアクセスに対する安全を目的とするこの規格では、電気設備近傍の通電方法や通路の構成方法などは、建築電気設備での安全確保に依存し、関係の規格を引用している。規格の適用範囲をこのように限定しても、この規格で扱われる安全確保の対象範囲は広い。以下にIEC60204-1で対象とする主な危険源例を示す。

  1. 感電/火災を生じるような電気設備の不備、故障又は不具合
  2. 機会に機能不良を引き起こすような電気回路の故障又は不具合
  3. 機会に機能不良を生じるような電源変動/停止
  4. パネル上でのご操作や電気配線の誤接続による安全機能の喪失
  5. 電気設備の外部/内部での電気的妨害
  6. 蓄積エネルギー(電気的/機械的)による被災
  7. 騒音、放射エネルギーによる被災

IEC60204は、機械の電気装置に関する要求事項を定めたシリーズ規格である。

IEC規格JIS規格規格名

IEC60204-1:2005

(IEC60204-1:1997)

(JIS B 9960-1:1999)

機械類の安全性―機械の電気装置

第1部:一般要求事項

IEC60204-11:2000 JIS B 9960-11:2004

第11部:交流1000V又は直流1500Vを超え36V以下の高電圧装置に対する要求事項

IEC60204-31:2001 JIS B 9960-31:2004 第31部:縫製機械、縫製ユニット及び縫製システムの安全性とEMCに対する要求事項
IEC60204-32:1998 JIS B 9960-32:2004 第32部:巻上機械に対する要求事項