朝日新聞12月22日「パナソニック、家電放出の化学物質リスクの評価開始」

【出典】http://www.asahi.com/digital/nikkanko/NKK201012220004.html

EUの化学物質規制(REACH)に関する記事を朝日新聞で見つけたので転載する。私も課の"REACHサポーター"の一員であるが、事務局の啓発活動が不十分で社内の浸透度がイマイチ。他社は着々と準備を怠らない、この辺りが弊社の弱さと痛感する。

パナソニックは、家電製品に含まれる化学物質が人体や生態系に悪影響を与える危険性(リスク)を評価する。1―2年をかけて家電に使われるすべての化学物質を調べ、優先順位を決めて評価を始める。使用中や廃棄された家電から環境中に放出される化学物質が悪影響を与えるリスクを減らす。リスクの大きな物質は代替化などを進め、2018年度までに化学物質のリスクを最小化する。

従来の化学物質規制は有害性物質の使用禁止が中心だった。現在は悪影響のリスクがある物質の管理も求められている。20年までに化学物質によるリスクを最小化する国際的な目標を踏まえ、パナソニックは2年前倒しで最小化を実現する。

同社は家電の使用時と廃棄時の影響に着目。調達と生産工程では化学物質は管理できるが、使用時に製品から放出される化学物質は把握が難しい。また、廃棄されると放出量も増大する。毒性が低くても放出によって動植物に蓄積されると、負荷が大きくなる恐れがある。このため使用と廃棄に着目した。

リスク評価手法も確立する。廃棄時では水中に沈めた製品から溶け出る物質や、焼却で大気中に放出される物質の種類と量を調べる方法を想定。また、東京都市大学の伊坪徳宏准教授と連携し、影響を定量評価できる日本版被害算定型影響手法(LIME)も活用する。取り扱う物質数が多いため、放出の可能性が高い使用量の多い物質から評価する。サプライヤー1万社から収集している部品や部材の含有化学物質情報を活用し、1―2年かけて使用量の多い物質を特定する。

 ほかにも欧州の化学物質規制「REACH」で高懸念物質に認定された物質も優先的に評価する。