中国版RoHS指令

中国向けの発電設備の計装・制御設計を担当しているが、メーカから「2007年3月から施行された中国版RoHS(ローズ)指令を満足することが出来ないのですが、どうしたらいいですか?」という質問を受けた。

中国版RoHSとは、有害物質の輸入を規制する法案「電子情報製品生産汚染防止管理弁法」のことである。欧州で施行されたRoHS指令と同様、鉛(Pb)と水銀(Hg)、カドミウム(Cd)、6価クロム(Cr6+)、ポリブロモビフェニル(PBB)、ポリブロモジフェニルエーテル(PBDE)の6物質を規制対象としている。

中国版RoHS指令は2段階で進むことになっている。該当品目に対して、まず第1段階での6物質含有表示の義務化(含有している場合でも、使用中に何年経過すると有害物質が外に漏れる可能性があるのかを表示すれば販売可能)に続き、第2段階では有害6物質をしきい値以下に抑えないと中国国内で販売できなくなる。中国版RoHSは基本的にはEUのRoHS指令と同じだが、該当品目リストが異なったり除外項目がなかったりと違いも大きい。

ここで今回主張したいのは、EUのRoHS指令施行が複数の国から成る経済圏で流通する商品を一定品質に保つための約束事である一方、自国は地球環境を汚染し続けているのに、他国から輸入される電子製品にのみ規制をかけようとする中国の異常さとバランスの悪さである。EUからコピーした規制で、中国政府は果たして何を守ろうとしているのか。昨今、自国からは、
・中米パナマでの咳止めシロップによる大量中毒死事件
・米国でのペットフードによる犬・ネコ中毒死事件
・練り歯磨きへの有毒物質混入
・中国産ウナギ、エビなどから発がん性抗菌剤検出
など毒物を撒き散らしていながら、どの顔して言っているのか。

こんなことでは、結局みんなから中国が総スカンを食らって見向きされなくなるのではないかと気がかりでならない。早く、中国も真の意味で一流になってほしい。