2007-01-01から1年間の記事一覧

虚妄の成果主義〜日本型年功制復活のススメ/高橋伸夫

バブル後の長い停滞からなかなか抜け出せない日本企業では昨今、日本型人事システムの象徴である「年功序列」こそがその原因であるような風潮があって、一つの流行のように「成果主義」が脚光を浴びたが、実際に導入したどの企業も惨たんたる結果に終わって…

アメーバ経営 ひとりひとりの社員が主役/稲盛 和夫

京セラ、およびKDDIの前身である第二電電を創業した著者が実践する経営哲学「アメーバ経営」を公開。「アメーバ経営」とは、世間でもてはやされているような経営ノウハウではなく、経営哲学をベースにした経営管理システムである。アメーバ経営の目的は…

中国版RoHS指令

中国向けの発電設備の計装・制御設計を担当しているが、メーカから「2007年3月から施行された中国版RoHS(ローズ)指令を満足することが出来ないのですが、どうしたらいいですか?」という質問を受けた。中国版RoHSとは、有害物質の輸入を規制する法案「電子…

「機能安全」とは何か

IEC61508が対象としている「機能安全」とは耳慣れない言葉である。もともと"Functional Safety"という外来語の直訳なので仕方ないが、その意味するところは何なのであろうか。機能安全の意味を理解するには、その反対語である「固有安全(inherent safety)…

「安全」に対する考え方(その3)〜リスクを許容する社会

「安全」を辞書で引くと、下記のような意味が出てくる。危害または損傷・損害をうけるおそれのないこと。危険がなく安心なさま。⇔危険(三省堂 大辞林第二版より)これは、日本での社会通念として一般的な解釈だろう。しかし一方で、安全関連の国際規格では…

朝日新聞 2007/5/13(日)付 「社説21」をどう読むか

朝日新聞で5月3日に掲載された社説特集に対する専門家の意見が2回に分けて紹介されるが、その第一弾が5月13日に掲載された。その中から、共感した部分を抜粋してみよう。まずは、元国連事務次長 明石康氏の憲法9条改正問題への切り替えしが心地よい。聞き手…

朝日新聞 2007/5/3(木・祝)付

憲法記念日の5月3日の朝日新聞社説が“「地球貢献国家」をめざそう”ときたので、ここに反論する。まずは、朝日新聞の主張から。�さまざまな地球上の困難に対し、省エネ、環境技術をはじめとする日本の得意技で国際貢献をする�国際活動の世話役となって実りを…

愚直に実行せよ!人と組織を動かすリーダー論/中谷 巌

日本社会の持つ特質を踏まえながら、優れた「日本型」ビジネスリーダーとなるための4つの資質を、具体的事例を織り交ぜて解説する。1.高い「志」を持っていること自信に満ちたリーダーとなるためには、高い志を持って歴史、道徳、倫理などの深い教養を身に…

SILスタディは自分自身で、コンサルタントは期待しない

「ガスタービン発電設備の保護システムにIEC61508(電気・電子・プログラマブル電子安全関連系での機能安全に関する国際規格であり、すでにJIS化も完了している)を適用し、SIL2レベルを満足すること」これが、当時の私に与えられた命題であった。それまで「…

「安全」に対する考え方(その2)〜規格は身を助ける

最近、機械安全に関する一冊の本に出会った。それは、労働省産業安全研究所出身で、現在は北九州市立大学教授およびNPO安全工業研究所理事長である杉本旭氏の「機械にまかせる安全確認型システム〜設計者のアカウンタビリティ〜」(中災防新書)という本であ…

「安全」に対する考え方〜日本人の思想

業務の都合で初めて国際規格が求める「安全」の考えに触れたとき、直感的に「日本では流行らないだろうなぁ」と思った。確かに、WTO(世界貿易機関:World Trade Organization)加盟国は、貿易の技術的障害に関するTBT(貿易の技術的障害:Technical Barrier…

「機能安全」事始め

私は、ある企業で発電プラントの計装・制御設計に従事しているエンジニアです。近年、担当するプロジェクトにおいて、お客様の引合契約書に「IEC61508」や「SIL」といったキーワードが織り込まれるケースが多く、実際に豪州のあるプロジェクトで要求され、そ…

ビジネスEQ〜感情コンピテンスを仕事に生かす/ダニエル・ゴールマン

これまでのビジネスの世界では、IQが高いということが企業の業績に貢献する条件であると考えられてきた。しかし実際は、社員が好業績を収めてビジネスで成功することとIQの高さには相関性が低く、単なる必要条件でしかない。本書では、卓越した業績を達…

アメリカ以後〜取り残される日本/田中宇

9.11テロ事件を契機に、アメリカは世界支配の方法を経済から軍事に政策転換し、でっち上げの理由でイラクを先制攻撃して単独で戦争を始めるに至った。その影で、アメリカはわざと9.11の発生を防がなかった可能性が指摘されており、その裏には、外交…

国家の品格/藤原 正彦

近年、先進国に広がる荒廃ぶり(核問題、環境破壊、犯罪やテロ、家庭や教育の崩壊)は、西欧的な論理・合理精神の破綻によるものであり、人間社会では「論理」を徹底しても問題解決には至らない。国民は永遠に成熟しないため、「論理」を放っておくと民主主…

餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?/林 總

アパレル会社社長であった父親の急死により社長に就任した娘の由紀は、メインバンクから一年の猶予のうちに経営立て直ししなければ融資打ち切りすると言い渡される。そこで、藁をも掴む思いで、同じマンションに住む大学院教授の安曇に経営再建へのコンサル…