あなたが年収1000万円稼げない理由/田中和彦

リクルートで転職情報誌「週間ビーイング」「就職ジャーナル」など4誌の編集長を歴任し、その後キネマ旬報社を経て"今までに2万人以上の面接を行ってきた転職コラムニスト"兼映画プロデューサーとして活躍している筆者が、富裕層低所得者層に2極化されていく今の格差社会の中で、勝ち組になるためのキャリア・デザインの方法を指南する書。

法則�得意分野で差別化し、オンリーワンの存在を目指せ。
法則�好きな世界を極めておけ。それはいつか自分にプラスになる。
法則�キャリア作りは会社任せにするな。自分自身で設計し、実行しろ。
法則�自分自身の物語をキャッチフレーズにして、印象づけよ。
法則�己の夢を自問自答して、その目標に納期を定めよ。
法則�ほかの人がどうあれ、進路は自分で考え、自分で決めよ。
法則�自分の能力開発のためには、お金と時間は惜しむな。
法則�現状に満足することなく、常に変化する勇気を持て。

【評価】
★☆☆☆☆

【感想】
あえて言えば本書の内容には新しい発見はなく、これ以上ページ数が多くなると退屈な本になっていただろうと思う。

「会社に頼られるオンリーワンに」「夢には納期を」「横並びに安住するな」とキャリア・デザインは解っていても実践出来ない人に向けて企画されて本だと思うが、それなら正論を並べるだけでなく、自分に言い訳して夢を実現出来ない人の背中を押し、実際にキャリアアップするための「少しの」勇気を奮い出させるような内容にするべきだったが、その「熱」が感じられなかった。

実際に、キャリア・デザインにて見事に高収入を獲得した人物が何人か登場するが、どれもストーリー展開がなくてフィクションのように感じられ、心に響かなかったのが残念(「自分のそうなりたいなぁ」と思わせるものがなかった…)。

【お気に入り】
自ら機会を作り出し、機会によって自らを変えよ(p.183)

【目次】
序章 「誰でもいずれは年収1000万円」時代が終わり、「き給料氷河期」へ
第1章 「あなたにしか頼めない」と言われたことがあるか?
第2章 好きな世界が"ただの趣味"になっていないか?
第3章 会社にNOと言えるか?
第4章 自分自身を商品化できているか?
第5章 「夢は"いつか"かなえばいい」と思っていないか?
第6章 「横並びなら安心」だと思っていないか?
第7章 お金に潔いか?
第8章 変化を味方につけられるか?
おわりに