読書録

鉄の骨/池井戸潤

【出典】pp.648-654 池井戸潤は、1998年に『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞、2010年に本書『鉄の骨』で第31回吉川栄治文学新人賞、2011年に『下町ロケット』で第145回直木賞を獲得。企業小説にミステリーの要素を融合させた新しいスタイルを切り開き、…

原子炉時限爆弾―大地震におびえる日本列島/広瀬隆

本書は、この日本列島に住んでいるすべての人に「日本はあと何年、ここに住んでいられるのだろうか」というごく簡単な問いを、尋ねるものである。 の書きだしで始まる本書は3.11東日本大震災の前に出版されており、福島第一原発事故を予言したかのような内容…

エルビーダは蘇った~異色の経営者 坂本幸雄の挑戦/松浦晋也

坂本幸雄。たまたま見ていたNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」に出演されていた時、只者ではないオーラを出していたのを覚えていて、彼を知る資料がないか探して本書を手にした。 日本電気(NEC)と日立製作所のDRAM事業を集約して設立され…

ブログ移転のお知らせ

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裸でも生きる〜25歳女性起業家の号泣戦記〜/山口絵理子

23歳で、ジュート(麻)を使ったバッグを現地生産、輸入販売する「�マザーハウス」を設立し、社長業の傍ら講演に飛び回る著者のエッセイ本。小学校でイジメにあった反動で中学では非行に走るが、その後ふざけ半分で入部した柔道部で負けず嫌いの性分が目覚…

あなたが年収1000万円稼げない理由/田中和彦

リクルートで転職情報誌「週間ビーイング」「就職ジャーナル」など4誌の編集長を歴任し、その後キネマ旬報社を経て"今までに2万人以上の面接を行ってきた転職コラムニスト"兼映画プロデューサーとして活躍している筆者が、富裕層と低所得者層に2極化されてい…

日本電産 永守イズムの挑戦/日本経済新聞社編

日本電産の社長で、瀕死の企業を人を切らずに見事に再建してしまう手腕で有名な永守重信氏の経営哲学の書。日本を代表する経営者の一人に数えられる氏が手掛けた23番目のM&Aの舞台裏を、当事者の息づかいが伝わるほどの臨場感で紙上再現した第1部、そ…

虚妄の成果主義〜日本型年功制復活のススメ/高橋伸夫

バブル後の長い停滞からなかなか抜け出せない日本企業では昨今、日本型人事システムの象徴である「年功序列」こそがその原因であるような風潮があって、一つの流行のように「成果主義」が脚光を浴びたが、実際に導入したどの企業も惨たんたる結果に終わって…

アメーバ経営 ひとりひとりの社員が主役/稲盛 和夫

京セラ、およびKDDIの前身である第二電電を創業した著者が実践する経営哲学「アメーバ経営」を公開。「アメーバ経営」とは、世間でもてはやされているような経営ノウハウではなく、経営哲学をベースにした経営管理システムである。アメーバ経営の目的は…

愚直に実行せよ!人と組織を動かすリーダー論/中谷 巌

日本社会の持つ特質を踏まえながら、優れた「日本型」ビジネスリーダーとなるための4つの資質を、具体的事例を織り交ぜて解説する。1.高い「志」を持っていること自信に満ちたリーダーとなるためには、高い志を持って歴史、道徳、倫理などの深い教養を身に…

ビジネスEQ〜感情コンピテンスを仕事に生かす/ダニエル・ゴールマン

これまでのビジネスの世界では、IQが高いということが企業の業績に貢献する条件であると考えられてきた。しかし実際は、社員が好業績を収めてビジネスで成功することとIQの高さには相関性が低く、単なる必要条件でしかない。本書では、卓越した業績を達…

アメリカ以後〜取り残される日本/田中宇

9.11テロ事件を契機に、アメリカは世界支配の方法を経済から軍事に政策転換し、でっち上げの理由でイラクを先制攻撃して単独で戦争を始めるに至った。その影で、アメリカはわざと9.11の発生を防がなかった可能性が指摘されており、その裏には、外交…

国家の品格/藤原 正彦

近年、先進国に広がる荒廃ぶり(核問題、環境破壊、犯罪やテロ、家庭や教育の崩壊)は、西欧的な論理・合理精神の破綻によるものであり、人間社会では「論理」を徹底しても問題解決には至らない。国民は永遠に成熟しないため、「論理」を放っておくと民主主…

餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?/林 總

アパレル会社社長であった父親の急死により社長に就任した娘の由紀は、メインバンクから一年の猶予のうちに経営立て直ししなければ融資打ち切りすると言い渡される。そこで、藁をも掴む思いで、同じマンションに住む大学院教授の安曇に経営再建へのコンサル…

上司の哲学−部下に信頼される20の要諦/江口克彦

PHP研究所の副社長である著者が、カリスマ経営者であった松下幸之助晩年にその傍で仕事をし、日々の交流を通じた中で感じ、心の奥に落とし込まれ、自身も経営者として実践されている部下への係わり方を、松下幸之助とのエピソードを交えてながら解き明かす。…