集光型太陽光発電システム

地上設置型太陽光発電システムの架台は、大きく分けると、近年よく見られる平板固定架台、東から上を向いて西に追尾する平板一軸追尾架台、そして太陽を追尾する集光二軸追尾架台の3つがある。集光二軸追尾架台は集光型太陽光発電システムとも呼ばれる。

集光型太陽光発電システムは、主にレンズを利用し、太陽の光を数倍から数百倍に集光して太陽電池で発電する。数百倍の集光であれば太陽電池の大きさも数百分の一でよいため、多接合型(注1)のような高価な太陽電池も利用可能である。平面型の太陽電池では直達光と散乱光の両方で発電するが、レンズは一般的に一方向からの光を集めるため、集光型太陽光発電システムでは直達光のみを利用して集光する。よって、直接太陽の見えない曇りの日はほとんど発電できないが、晴れの日は朝から出力が大きく立ち上がり、一日を通して出力は高く、平板固定架台と比べてより多く発電することが出来る。

集光による温度上昇や電流増加のため効率が下がる要素もあるが、光強度が上がると開放電圧(注2)は対数的に増加するため、一般的には発電効率は向上する。

(注1)アモルファスシリコンと薄膜多結晶シリコンなど、異なる太陽電池を重ね合わせてタンデム構造にしたもの

(注2)太陽電池の出力端に負荷をつながず、電流を流さない状態で測定した電圧のこと

 

【出典】電気学会誌Vol.104、No.4付録、用語解説第109回テーマ