バーチャルパワープラント(VPP)

需要家側エネルギーリソース、電力系統に直接接続されている発電設備、蓄電設備の保有者もしくは第三者がそのエネルギーリソースを制御(需要家側エネルギーリソースからの逆潮流を含む)をすることで、発電所と同等の機能を提供する。その仕組みは、あたかも一つの発電所のように機能することから、「仮想発電所:バーチャルパワープラント(VPP)」と呼ばれている。

逆潮流とは、自家発電を所有する需要家が、消費電気よりも発電電力が多くなった場合に、余った電力を電力会社線側に戻るように流すことである。また、需要家とエネルギーリソースが同じ場所にない場合は、特設電力会社に流すこともある。

電気は「貯蔵できない」という性質を持つため、常に需要と供給をバランスさせる必要がある。そのため、需要に合わせて供給することや、瞬時瞬時の需要の変化に対応することが重要である。このような需給バランスを保つ役割は、これまで主に大型の発電機の稼働によって担われてきたが、ここに、分散側エネルギーリソースを用いたVPPなどを活用することが期待される。

 

【出典】電気学会誌Vol.104、No.3付録、用語解説第108回テーマ